ミニトローラー開発までのお話。
スパンカーを効かせてボートを風に立てても、エンジンの推進力を減衰させる装置がないと、ほとんどの場合、ボートは前に進んでしまいます。

輸入もののトローラーもしばらく使いましたが、これは水平と垂直、開と閉の2段階でロックさせる方式なので、微調整ができません。風に拮抗できるようにするためには無段階的な調節がしたい。それと緊急時に即発進できるようロックされない方式にしたい。という2点を念頭にトライアンドエラーを繰り返し、1年かけて左のような形にたどり着きました。

写真ではわかりにくいですが扇型のプレートを挟み込んで締め付け角度を決めるというものです。ゴムをはさんで摩擦を大きくするように試みましたが、うねりのある海面ではスクリュー側のプレートが押し上げられることがあります。そこで右上のように摩擦を増すため扇型プレートに穴をあけてみました。穴にビスを通してロックするのではなく、トラスねじの丸い頭がカタカタと穴をなぞり、抵抗を大きくしようというものです。これだと、急に発進する必要に迫られた時ロックしていないのでアクセルを吹かせば前進します。これでだいたい思った効果は得られました。(ヒモで上げ下げする方法が簡単で良いではないかと思われる方も多いと思いますが、これは某ボート雑誌上で何度も記事に書かれているように、某社が特許取得されているそうで、マネはできません。)

このアイデアをファクトリーゼロ社に持ち込むと、流石はマリンアイテムの加工に関してはプロフェッショナル。素人の工作を進化させ下の画像のように作り上げてくれました。

工作好きの素人とプロの技のコラボレーションとでも言いましょうか、扇型のプレートを締める機構が変わってより任意の位置での固定がしっかりできます。ナイロンワッシャーが金属と金属の間でプレーキのライニング材の役をしているので、緊急時の発進もアクセルを開ければナイロンワッシャが滑り前進します。ロックされていないので、他船が直進してきて急いで発進するというような場合も慌てないですみます。

ミニトローラーについての詳しいお問合せはファクトリーゼロ社にお願いします。
艤装マニアが高じて製品化という形になるのは、マルチドーリーに続いて2作目ですが、海で使っていらっしゃる人(ユーザーさん?)を見ると、ちょっと気持ちの良いもんです。まだ、こうすればより良くなるんじゃないかとアイデアが次から次へと湧いてくるので(ほとんど使えませんが時にヒラメクこともあるのです)、またカタチになればご紹介していきたいと思います。